差圧・圧力伝送器

差圧伝送器とは

差圧伝送器とは、センサ部で測定した圧力または差圧値をアナログ信号に変換して外部に発信する機能を持つ測定器のことをいいます。厳密には、一箇所の圧力を測定する圧力伝送器と、二箇所の圧力差を測定する差圧伝送器で区別されます。

しかし、圧力伝送器のついても、測定はあくまで基準圧力(大気圧力または真空圧力)に対する差圧であるため、差圧伝送器と本質的には同じ計器と考えることができます。そのため本項では、これらをまとめて“差圧伝送器”と総称します。

測定原理

空気式

力平衡式

電子式

電子式では、外部よりDC24Vの電源供給を受けて、センサ部に加えられた差圧を電気信号に変換し、伝送部にてセンサ部で得られた信号を4〜20mAに変換して外部伝送する2線伝送方式が採用されます。

電子式では、下記の3つの測定原理が一般的です。

静電容量式

センサ部は、被測定対象と接する高低圧ダイヤフラム、固定電極、可動電極およびこれら二電極間の静電容量を検知する検出部により構成されます。

高圧側と低圧側の測定ダイアフラムそれぞれに加わる圧力が、封入液を通してダイアフラム構造の可動電極に加えられます。これによって、可動電極が変位して固定電極の間の距離が変化します。この距離の変化によって二電極間の静電容量の変化し、この静電容量の変化を圧力信号として検出します。

古くから用いられる測定方式であり、後述の2方式と比べると精度に劣ります。

半導体式

センサ部は、被測定対象と接する高低圧ダイヤフラム、ピエゾ抵抗型半導体センサにより構成されます。この半導体センサには、シリコン基板に4つのピエゾ抵抗素子が形成されます。

高圧側と低圧側の測定ダイアフラムそれぞれに加わる圧力が、封入液を通してダイアフラム構造の半導体センサに加えられます。センサ上の4つの抵抗素子は、応力によって抵抗率が変化するピエゾ抵抗効果により、抵抗値が変化します。

これらの抵抗素子はホイートストンブリッジで構成されます。圧力が加わると、その特性方向に抵抗が変化して不平衡電圧が発生します。この電圧変化を圧力信号として検出します。

振動子式

センサ部は、被測定対象と接する高低圧ダイヤフラム、シリコンレゾナントセンサにより構成されます。このセンサには、シリコン基板に2つの振動素子が形成されます。

高圧側と低圧側の測定ダイアフラムそれぞれに加わる圧力が、封入液を通してダイアフラム構造のシリコンレゾナントセンサに加えられます。センサ上の2つの振動素子は、圧力を受けることによってセンサ内に生じる引張歪と圧縮歪による張力をそれぞれ受けて固有周波数が変化します。

この2つの振動子の固有周波数は圧力変化と相関性があるため、パルス信号によってこれらの周波数を検出し、演算を行うことにより圧力信号を検出します。

横河電機製の伝送器で使用されている方式です。

センサの特性が振動子の機械的構造寸法によって定まるため、温度係数等の影響が小さく、他の測定方式と比べて長期安定性や測定精度に優れる特徴があります。

保守性

電気品に通じる経年使用に伴う劣化により故障リスクが高まるため保守が必要です。構造上、部分的な修繕は難しく、故障や不具合が起きた場合には一式交換が行われます。高品質の差圧・圧力伝送器は価格が数十万円と高いため、用途や重要度に応じた機器選定や保守が行われます。

差圧伝送器の現場設置にあたっては、メーカ各社とも2Bサイズのパイプに取付る方法で標準化されているようです。計器購入時にはパイプ固定用のブラケットが付属されるので、更新の際には既設と異なるメーカ品に変更することができます。そのため、予防保全で複数台の更新を行う際には、圧力・差圧伝送器を取り扱う複数のメーカから相見積もりを取り、コストダウンを図ります。

用途

差圧伝送器は、火力プラントにおいて最も多く設置される計器の1つです。

用途は広く、私の働く火力プラントでは、ボイラー給水や蒸気等の圧力・流量測定、水タンクの液位測定、各種ストレーナつまり管理などに使用されます。

これらの信号は、プラントの制御回路やトリップインターロックなどの重要回路に使用されることもあります。そのような場合、伝送器の故障トラブル1つでプラントが稼働できなくなり大きな損失を被ることになるため、厳密な保全管理が要求されます。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


計装

前の記事

ブルドン管圧力計
計装

次の記事

記録計